【お役立ちコラム】アーティストの現状と学びがもたらす可能性（前編）

コーディネーターブログ

コラム

皆さんこんにちは。
NPO法人日本アーティスト協会代表理事、アーティストキャリア専門家のガリバー宇田川です。

今回は音楽家の皆さんや音楽レッスンを受講されている生徒、親御様向けに、間も無く発売となる書籍から一足早くお届けする内容も含め、音楽やアートに携わる「アーティストの現状と学びがもたらす可能性」 についてお話させていただきます。

少しでも充実した音楽ライフのご参考になれば幸いです。

◆音楽とビジネスのバランス◆

私はもともとメジャーデビューを経験した歌手です。
今年で40歳になるミレニアル世代で、アーティスト活動と並行して上場企業で働いたり、フリーランスとして仕事をしたり、複数の会社の役員を務めてきました。

私が代表をしているNPO法人日本アーティスト協会では、イラストレーター、ライター、デザイナー、パフォーマー、ダンサー、MCなど、様々なスキルを持つ表現者やフリーランスのみなさんと一緒に様多種多様な業界のプロジェクトに取り組んでいます。

こうした経験を通じて実感したのは、
「業界や限られたコミュニティ内でのビジネス論に振り回されていては、自分らしく生きることが難しい」ということ。

例えば、音楽業界も教育業界もそれぞれのルールや商流、必要な能力があり、これを知っていないと正しい仕事はできません。
無力からくる得体の知れぬ不安や、情報過多による混乱によって、思考停止してしまう人も沢山目にしてきました。

逆に言うと、
社会や業界ごとのルールや商流を理解し、必要な能力を身に付けられる人なら、業界の垣根を超えて活躍できる時代です。

モデルが歌を出す、歌手がドラマに出る、アスリートが教師になる、芸人が司会をするなど、見渡してみればいくらでも事例があります。

自分が何をしたいか。
自分らしくあるためにはどうすればいいか。

なかなか答えを見つけられないでいる現代人にこそ、音楽やアートを学ぶ過程が役に立ちます。

自分と向き合い、自分なりの価値観を見つけ、かつ社会とのバランスをとっていく力が身につきます。
音楽やアートを趣味にしたり表現することは、自分をブランディングする最良の方法だと思います。

◆アーティストの実情◆

いきなりですが質問です。

アーティストは「職業」だと思いますか？

職業だとしたら
どのように目指せばその職に就けるでしょうか？
年収はいくらでしょうか？
結婚・出産や親の介護など、ライフステージの変化があった際、どんな保障があるでしょうか？

これは私が講義や研修をする際に必ず問いかけていることです。
これまで何千人もの学生、現役アーティスト、講師、社会人に聞いてきましたが、検索エンジンを使っても誰一人として的確に答えられませんでした。

質問を変えてみましょう。

医師は「職業」だと思いますか？
どのように目指せばその職に就けるでしょうか？…

ほとんどの人が答えられるはずです。

「アーティスト」という存在は老若男女が知っているのに、その生態は噂程度でしか知られておらず、どこから来てどこへ行くのか誰も説明できない。
目指したくても目指し方が分からない。

上手くいかなくても修正できない。
一部で有名でも一般的にその価値を理解してもらえない。

明確なキャリアパスもあやふやなのに、専門的という理由で教育費用は他の習い事よりも高額。
ここに矛盾を感じたことはありませんか？

私がいう「アーティスト」とは、表現活動をするすべての人を指し、アーティストに必要な下記のノウハウを様々な場で伝授しています。

・プロとして必要なスキル
・ビジネスモデル
・ブランディング
・セールス・PR・マーケティング
・マネジメント（事業、人材）
・キャリア形成

一見アーティストには関係のないワードのように感じるでしょうか？

しかし、海外のアーティスト教育ではこれらは自然と内包されていて、契約書の読み方や著作権の知識などは早いうちから身についています。
なぜなら卒業と同時に個人事業主としての第一歩を踏み出し、自分で事業を進めていくのが当然の世界だからです。

アーティストは「起業家」です。
これは日本でも同じであるはずが、その意識が無いまま社会に出てしまったり、セカンドキャリアで上手くいかないアーティストが続出していました。

この状況に課題を感じた私は、2015年に法人を設立し、アーティスト向けのキャリア教育をスタートしました。

次回後半では、アーティストの職業イメージとの戦い、収入などの現状と共に「音楽やアートを学ぶ価値」についてお話します。

私のプライベートレッスンや書籍の情報はこちらになります。
ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
ありがとうございました。

NPO法人日本アーティスト協会代表理事
アーティストキャリア専門家
ガリバー宇田川
日本アーティスト協会（HP）

▼Amazon4部門1位の著書「令和のアーティストの稼ぎ方」
※新著も近日発売予定です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B087ZL9L94/ref=cm_sw_r_tw_awdo_c_x_bHkVEb016DW47