コーディネーターブログ
2021.04.27【お役立ちコラム】ミリオン作曲家 成瀬英樹の「いつの時代でも活躍できる」秘談(2)
コラム
作曲家の成瀬英樹です。
前回(マンスリー2021年3月掲載)は「ファンベース」という書籍を元に、僕たち音楽家の次の時代の生き方のご提案をさせていただきました。
今回はその続きです。
僕自身は、1997年にFOUR TRIPSのボーカル&ギター、そして作詞作曲担当としてデビューしたのが音楽業界に入った始まりでした。
バンド解散後は音楽に携わるほとんどの仕事をやったと思います。
バンドやアイドルのプロデュース、ギター・ウクレレのレッスン、ラジオのDJ、ソロとしてのライブ活動、手嶌葵さんなどヤマハアーティストのサポートギタリスト、専門学校の先生etc…
そんな中で、僕が一番狙いを定めていたのが「作曲家」でした。
それ以外の職種は僕が「現場」に居て初めて成り立つもの。
つまり、肉体労働なんですね。
バンド解散後、5年ほど消防点検の現場仕事のバイトもやっていた僕は「現場仕事」の危うさを身をもって体験していました。
例えば、怪我や病気で休んでしまったら、一銭にもならないのはもちろんのこと、現場監督(音楽の場合はクライアント、アーティスト、その他もろもろ)との相性もあります。
どんなに良い仕事をしていても、気が合わない場合などはバッサリと切られます。
つまり「上の顔色を伺う」ということにおいて、一般の仕事となんら代わりはないのですね。
しかしながら、「作曲家」は印税収入です。
ひとたびヒットを飛ばしさえすれば、しばらくは安定した収入を手にすることができますし、そのヒット曲は名刺代わりにもなります。
もちろんヒット曲の作者になるのは、容易いことではありません。
東大に現役で受かるよりもずっとずっと難しいでしょう。
そしてそこには運も必要になります。
僕の場合はたまたま運よく、何年に一回のヒット曲を出すことが出来ましたが、それで安定してずっと食べていけるというものでもありません。
ただ、「音楽的肉体労働」に全体重をかけることだけは、避けてきました。
それは大変なリスクを伴うからです。
(「タイムマシンなんていらない」がヒット中の渋谷のタワレコ前の写真_サックスで参加してくれたHamberと)
そんな折りに、このコロナ禍。
音楽家のみならず、世の中の状況は混沌としております。
そこで、安定した収入をあげるべく「無料配信」と「直接課金」のバランスが大変に重要になってきます。
前者はYouTubeです。音楽家ならカバー動画やレッスン動画など、何かしらのYouTubeのチャンネルを持つことはもはやマストです。
さまざまなSNSが存在しますが、2021年に「YouTubeを見ることが出来ない」層は限りなく少ない、大変にポピュラーなものだからです。
そして後者の「直接課金」は「オンライン・コミュニティ」です。
あなたのファンや生徒さんだけに直接語りかけたり、質問に答えたり、ノウハウを教えたり。
このコミュニティを持つこと、それを少しずつ広げて行くことが重要です。
このコラムは音楽家だけでなく、音楽レッスンをご受講している方、お子様がご受講している方もお読みいただいていますね!
そのようなみなさんは、先生と直接つながったり、先生の音楽にかける姿勢なども、リアルに伝わるのではないでしょうか。
何よりも、コミュニティの中で、仲間が出来るんです。
同じ音楽家の元に集まった仲間との横のつながり。
これは本当に何よりも、貴重なものです。
そして、音楽とは「音を楽しむ」と書きます。
決して「音を学ぶ」ではないのですね。
忙しくなったり、状況に変化があると「辞めたい」って思ってしまいますよね。
しかしながら、これからのパラレルワーク時代、何か1つを選ぶより平行して何かをしていることに価値がでてきます。
音楽はリラックスにもなり、自分を好きになることに繋がります。
何もプロになる必要はなく、個性の彩りとして持ち続けて欲しい、そんな風に考えるのです。
ゆっくりやりましょう。Take it easy!なんとかなりますよ。ね。
次回は具体的なYouTubeとオンラインコミュニティの始め方をお伝えしながら、これからの音楽家の生き方の一例をご提案できたらと思っております。
(師匠の伊藤銀次さんとの共演)
【プロフィール】
成瀬 英樹
作曲家
公式HPはこちら
オンラインサロン「ポップス魔法研Q室」
YouTube「成瀬英樹のポップス研Q室」
Twitter
1997年TBS 系ドラマ「友達の恋人」(瀬戸朝香・桜井幸子 主演)の主題歌「WONDER」でメジャーデビュー。 13万枚を超えるヒット
2001年から作曲家を目指し楽曲コンペに参加
2006年、AAAの6thシングル「Shalala キボウの歌」で作曲家デビュー。オリコン20位
2007年、作曲したAKB48の4thシングル「BINGO!」がオリコン6位まで上がるスマッシュヒット
これ以降AKB48初期の代表曲「ひこうき雲」や前田敦子のシングル「君は僕だ」「タイムマシンなんていらない」(ともにオリコン2位)などを作曲編曲
2016年、AKB48の43枚目のシングル「君はメロディー」が130万枚超のミリオンセラー!オリコン1位を獲得。年間チャートでも2位を記録
年末のNHK紅白歌合戦でも印象的な場面で歌唱される